2018年09月24日

箱根仙石原の宿 俵石閣にて

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8月の終わり、箱根に一泊の旅。
旅好きの友人がオススメしていた宿に泊まってみました。

NEST INN HAKONE俵石閣は、数奇屋建築の本館と1997年に渡辺明氏が設計した別館からなるのですが、一時廃業に追い込まれた老舗旅館を再生したという、実に興味深い宿なんです。
しかも、アートディレクターが八木保さんということで、ますます期待を胸に、



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到着してみて、フロントから客室へのアプローチ、外部空間の作り方には、渡辺明さん設計の二期クラブに通じるものがありました。
地形を生かした、そして風景の切り取り方など絶妙です。


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こちらは宿泊棟からの風景。下に見えるのがレストラン棟。



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板張りの外壁、その開口部の収め方、そして独特な屋根。
これは、オリジナルなのか、改修されたものなのか、確認したくなりました。


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上が竣工当時、下が現在のフロントロビー棟です。
外観はほとんど改修されていないことがわかりました。


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これは新建築に載っている写真ですが、外廊下に屋根がかかっていたことがわかりました。
現在は、この屋根はなく、雨の日は傘をさして移動です。


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こちらの写真も、竣工時の様子。レストランは内部の改修によって、オリジナルのような透明性が無くなってしまったのはちょっと残念に思いました。


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配置図 竣工時 (新建築 より転載)
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配置図 (俵石閣パンフレットより)


ホテル棟では、フリーバードと呼ぶ共有ラウンジのみ増築したようですね。
そのほかは、オリジナルの配置のままですが、インテリアは大幅に改修しているようです。

新建築の資料では客室のレイアウトまではわかりませんが、私の泊まった客室棟はツインルームとなっています。
おそらく、通常の壁に頭がくるような配置だったと思われます。

現在のレイアウトはかなり斬新でした。

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現在のツインルームはこんなレイアウトで、ベットから起き上がると窓の外の緑が目に入ってきます。
もちろん、TVはありません。


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テーブルの上には、インクと羽根ペンが。


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デスクとヘッドボードが一体となっているのは、なかなか良いアイディアですね。
使い勝手良し。


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洗面は外で、この部屋はシャワーとトイレしかありません。写真はありませんが、それも床も壁もモルタル仕上げという簡素なもの。
もちろん、気持ちの良い大浴場があるので、それで十分です。
そのあたりの潔さは良いですね。


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日が傾いてくると、カーテンに映る木立がとても幻想的です。


さて、本館はというと、、、これがまた魅力的!

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玄関と帳場というかフロント。



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大広間から臨む庭は、自然そのもの。
この辺りは国立公園内のため、勝手に剪定などもできないそうですが、それにしても美しい。


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室礼にもセンスがひかります。この辺りは、さすがアートディレクターの腕前ってところかしら。


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オリジナルの意匠も、見所があり過ぎて、もっとゆっくりしたかったのですが、、

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本館茶房でのランチ。
実は、この時に通された天皇陛下が皇太子だった時に宿泊した部屋からの景色も忘れられません。


最後にその窓からの景色を動画にて。





以下、新建築1997年2月号に掲載されている図面と渡辺明さんの言葉を転載します。


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posted by mikihayashi at 22:22| Comment(0) | 旅人目線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする