雪深い地方での暮らしは大変なのだろうが、都会からやってくると、喧噪に塗れた心を洗われるかのようだ。
今日私が向かった妙高の家は、北側に山を望む、緩やかな丘陵にある。
この土地では、冬場の雪が設計の決めてとなる。屋根の雪を自然落下とするか、雪下ろしするか。いかに雪かきする場所を少なくするか。そして雪下ろしは隣家の迷惑にならないように。
それらの解決策として、1階が車庫、2階以上を住まいとした、雪割りのついた急勾配屋根の住宅がとても多い。こんなに土地にゆとりがあるのに、道に沿ってそんな家々がそそり立つ。
しかし、軒を出して、雪も夏の日差しも避ける、そんな家の方が快適だ。
この家の主役は薪ストーブ、そして見渡せるワンルーム。
後々ご両親との同居もありえると、景色の良い北西に和室と広い納戸をもうけた。
和室には、妙高の山を臨む窓。
片流れの北側はゆったりしたロフト。薪ストーブで暖められた空気を小さなファンで1階の洗面所に送っている。
子どもたちにスキーを教えているご主人の道具も充分入る土間続きの納戸。友人の石やさんからくず石をもらってきて、ご主人、大工さん達で並べた玄関。
この日はお施主さんのご両親まで参加して床に蜜蝋ワックス塗り。
私は、少しだけお手伝いして、帰路につく。
家族を包み込み、凛と立ち上がる、煙突をのせた大きな片流れの屋根に別れを告げて。
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