木曜日の夕方から北九州に行っておりました。
どんな団体も一年に一回は「大会」「総会」というものがあるのですが、所属していてもなかなか遠方では出席できないものです。
私の所属している日本建築家協会の大会が小倉で開かれ、初めて参加してきました。
会場となったのは小倉の北九州国際会議場。磯崎新さんの設計です。
小倉の駅前、そして港がそのまま直結していて、コンビナートの煙突が背景になっています。
2日間、シンポジウムや報告会に参加。ずっと座っていて、正直、ちょっと腰が痛くなりました。
シンポジウムの目玉は、お茶の間でも有名な東大の先生、姜尚中氏の講演。これは公開講座でしたので、大変な人気で市民が行列していました。
EUのように九州ユニオンをつくり、アジアの拠点となって、韓国とも自由に行き来できるようにしましょう、というような構想で、氏の例えでは、福岡がドイツ、熊本がフランスとのことで、会場の笑いを誘いました。種を明かせば、熊本出身の氏の情熱がそこに現れていたようなのですが、、、。
もう一つ、満席となったのが建築家谷口吉生氏の講演でした。私の尊敬する建築家のひとりなので、とても楽しみにしておりました。
25年前の資生堂アートセンター、土門拳記念館から、最近の作品、進行中のプロジェクトまで、飾らず明解なお話で興味深く、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
資生堂アートセンターはじつは美術品や商品パッケージなどのための「倉庫」をつくってほしいとの依頼だったそうです。
それを、美術館にして施主を説得してしまうとは、、、これも才能ですね。
谷口さんの近作に、広島の清掃工場がありますが、これさえも「見せるゴミ処理場」に仕立てています。
中央を貫通する、海へと向かう「道」が、広島の平和記念館からつながっているそうです。この建築には、実は強い象徴性が込められていることがわかりました。
周辺の名建築も「作品」の一部として取り込んだと言われる最近の代表作、NYのMOMAには、是非とも足を運びたいです。
東京に帰る間際、どうしても門司港が見たくて、電車にのりました。
初めて見る、白い関門橋。今見れば、さほど大きな橋とは言えませんが、当時は大変なことだったであろうことが想像できます。
港に行くと心が躍るのはなぜなのでしょう。
門司港は観光スポットとして整備され、夜はライトアップもしているようです。
このコンパクトなスケール感がいいですね。
門司港は木造の駅舎で有名ですが、よく見ると鉄骨とのハイブリット構造のようです。
確かにレトロですが、十分駅として機能しています。いいですね。
観光ガイドには載っていませんが、駅舎の横にあるJR北九州のビル、なかなかの存在感です。
これは、「旧・三井物産門司支店」で松田平田建築設計事務所の創設者、松田軍平の設計だそうです。
現在、耐震改修等に着手しているようですが、本来の建築がもつ良さを活かして、更に魅力的なものへと転換してほしいと思います。
滞在時間45分の門司港観光、大きな空と輝く海を眺め、満喫しました。
ラベル:旅 門司港 北九州 建築家協会
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