東大の建築を卒業され、菊竹清訓建築事務所に務めた、建築界ではエリートだ。
でも、気さくで穏やか、謙虚な人柄。そしてパッシブデザインや環境共生を自身のデザインの背骨に据え、最近益々デザインも研ぎすまされてきていた。若く優秀なスタッフにも恵まれて、体調が悪くても、仕事はしっかりこなされていた。
まだまだ、やりたかったことがあったに違いない。
百合が丘の丘陵にあるお寺での葬儀。
お通夜だったから、風景は臨めなかったけど、空にはオリオン座がうっすらと見えた。
お寺なのに、葬儀場はプレハブ、サイディングの建物。花田さんとお別れをする場所としては、正直、ちょっと寂しかった。
やっぱり、風と光と緑に溢れた場所が、花田さんにはぜったいに似合うと思う。
葬儀から戻っても、お清めをする気にならなかった。
花田さん自身が、とても清らかな人だから。
こころよりご冥福をお祈りします。