8月9日、私もメンバーになっている木の家ネットの有志による「木と土の家 温熱研究会」がありました。
場所は藤野。メンバーの一人であるビオフォルム環境デザイン室の山田さんのご自宅「里山長屋」にお邪魔しました。
実は私は訪問するのは3回目。
半年経って、菜園の工事も進み、草屋根も賑やかになりました。
ここは、様々のことを共有しながら、4世帯がまさに「長屋暮らし」をしているのですが、環境への試みも満載。
たとえば、この手こぎポンプは、地下に埋めてある雨水タンクの水を組み上げています。
午前中はコアメンバーで下打合せ。ここは、山田さんのご自宅のダイニング。裏の林の緑が、とっても気持ちよくて快適です。
私たちがミーティング中、奥様の愛さんは、お庭の菜園でひと仕事。おしゃれに楽しんでいらっしゃいますね。
さて、午後はコモンルーム(長屋の共有の居間)をお借りして勉強会。
この日も大変な猛暑。
実は、冬の蓄熱のための土間にまだ日よけがつけられていなくて、かなりの暑さ。
障子をしめて、輻射熱を防ぎます。
この日は室温も30度を超えていました。
日射を受けた瓦タイル敷きの土間は、表面温度が50度近く。
ところが、北側の浴室の床は22度です。
北側の部屋にいくと、本当にひんやり。
壁の表面も室温より低く、涼やかに感じます。
山田さんのお宅は、工学院大学の環境工学の研究室が、土壁内等にセンサーを入れ、3月から測定を続けています。
窓の上枠から下がっているのは、風速計だそうです。
この日は、山田さんから建築についての説明ののち、20名ちかい参加者で見学し、その後3月以降の測定データを、研究室の学生さんが発表してくれました。
これは3月のある1週間のデータですが、断熱材の内側、土壁内と、内側になるに従って温度の触れ幅が小さくなってきていることが読み取れます。
室温は、とても安定しており、快適そうですね。
最後は、「改正省エネ法」「土壁の家の断熱気密」「木の家の住まい方」などをテーマにワールドカフェスタイルでのディスカッション。
2グループに分かれて討議したのですが、結局行き着いたのは、木の家は「総合的な評価」がされるべきではないかということ。
これはデータや数値で語る「性能」だけで良い住環境はつくれない、社会や周囲の環境への影響、身体への影響なども含めて考えるべきだということなんですが、どうやって進めたらいいのかは、もっと議論を重ねて行かないとなりません。
暑さや寒さを、様々な工夫や五感を駆使しながら過ごしてきた過去の知恵や、捨てるものはなにもなかった、そんな循環する暮らしも含めて見直すと、木と土の家の魅力はきっと伝わるのではないでしょうか。
皆さん成果がお見せできるよう、この研究会は今後も継続して行く予定です。
またご報告致します!
余談:パーマカルチャーセンタージャパン
山田さんが理事をしているパーマカルチャーセンターの施設と畑を見学させて頂きました。
民家に手を入れて、勉強会や合宿などをしています。
家を直したり、コンポストトイレをつくったり、畑の小屋を造ったりするのも実習のうちだそうです。
鳥小屋、果樹林などが一緒になった、とっても野性的な畑です。
土でつくったオーブン。ちょっと雑草がはえちゃってます、、。
除線の為にひまわりを植えたそうです。久しぶりに見る、大きなひまわり。
今年育ちがいいのは、セシウムはカリウムに、ストロンチウムはカルシウムと化学的に近いからじゃないか、、という説も?!
近くで立ち寄った神社。
なんと、回り舞台が仕込まれてます!
突然現れた大きな神楽殿に、思わずシャッターをきりました。
藤野には、まだまだ魅力的な場所がありそうですね。
ラベル:家づくり 伝統 木の家 土壁 温熱環境