2014年03月23日

群馬、瓦の里へ

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久しぶりに、群馬県の甘楽町を訪ねました。
ここには、変わり種の瓦やさん(?)で小林保さんという方がいます。瓦屋の4代目とのことですが、「屋根舞台」という屋号で、風前の灯火となっている群馬の瓦業を元気にしようと東奔西走している人です。

土曜日だけカフェ&雑貨ショップとして営業している、ご自宅にお邪魔しました。


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一時は建築設計をされていたというだけあって、センスのいい、大胆な玄関ホールです。


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今日はお施主さんが、ふらりと立ち寄られたようです。
屋根とも一生のおつきあいですからね。


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2階には、このあたりの作家さんたちの作品が置いてあります。タイルは女性の陶芸作家さんのもの。狛犬はフランス人のフォトグラファーさんの作品だそうです。

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ここは瓦のショールームでもあります。屋根に寄って様々、いろんな瓦が葺いてあるんです。

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デッキの下屋に葺いてあるのが、藤岡で唯一昔ながらの「だるま窯」で焼いている五十嵐さんの瓦。
手作りなので、ひとつひとつ表情もカッコも違い、実に味わいのある表情です。
ただ、葺くのに手間がかかる、瓦葺き職人泣かせだそうな。



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こちらはオリジナルの「離瓦」。なんと瓦と瓦の間にすき間が空いています。この部分は板金処理をしたり、ガラス等を入れたりすることが出来て、実に軽やかに葺き上がります。


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軒先はこんな感じです。


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こちらは、群馬で昭和30年頃までつくられていた「十能瓦」の復刻版「能瓦」だそうです。
軒先の納まりも、瓦の断面を見せる感じで、なかなかスマートです。



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瓦づくしの「甘楽商店」を後にして、小林さんと藤岡へ向かいました。


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だるま窯で昔ながらの瓦を焼いている五十嵐さんのところを訪ねました。
無造作に、瓦が積み上がっています。


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この日は残念ながらお留守だったのですが、主の居ない窯をちょっと覗かせて頂きました。
できたての瓦が、まだ窯の中に残っています。


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こちらは天日干し中。
昭和30年代には、藤岡には80軒以上の窯元があったそうです。
今は、ここだけ。しかもだるま窯は全国でも数基しかないそうです。
先の甘楽町の一軒と合わせて、群馬の窯元は今や2軒のみ。


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そして、近くの「鬼師」の山口さんを訪ねました。
そう、鬼瓦職人です。
まずは迫力の鬼達が迎えてくれました。

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工房には昭和の空気が流れています。


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床の三和土が良い味わいです。


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山口茂さんは鬼師5代目、生粋の職人さんです。
お母様はなんと来年90歳だとか。しっかりもののお母様の前では、現代の名工も頭が上がらないようです。


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山口さんが、ひとつ紋飾の型抜きを披露して下さいました。
粘土が、滑らかに流れ込む感じ。


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下がり藤の紋が、石膏の型から姿を現わしました。


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その土地の土にあった焼き方、そして練り方までが瓦の質を左右することに驚き、鬼師の技と心意気にすっかり魅せられた一日でした。

文化財も伝統もモノではないのです。それを創る人、それを創る道具も共に未来に引き継いで行かないと、、。

微力でも、何か出来ることがないかと、またひとつ課題を頂いて帰路についたのでした。


posted by mikihayashi at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 木の家のはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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