2015年06月04日

昭和の住宅、仕舞いのとき 萩原邸

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「家を建てる、家を調べる、家を直す」ことは、いつも仕事でやっているのですが、
今回は「家を仕舞う」ことのお手伝いをするという、初めてのことに係わることに、、、

その家というのは、築57年になる端整な住宅。


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無栗のある大きな瓦屋根と、周囲に回された下屋が特徴で、大谷石が使われている玄関アプローチも実に魅力的です。


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南側の深い軒。出し桁は華奢で軽やかです。


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この家の持ち主の方が荷物を片付けていると、この住宅が掲載されている建築雑誌「建築界」と工事中の写真アルバムが見つかったそうです。

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設計者はT.Y.G建築研究会とあります。一体何者なのでしょうか?
当時の他の雑誌をあたったり、その時代のことを知っていそうな方に聞いたりしたのですが、未だ謎のまま。


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写真資料も大変貴重なものです。建前の写真には、桁の上にずらっと祝樽が並んでいます。


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門扉と低い大谷石の塀など、大変モダンな印象です。
敷石は鉄平石。私の実家にも以前ありました、、、


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大谷石はインテリアにも使われています。


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こんな懐かしいドアノブも残っていました。
手を入れる必要はありますが、まだまだ十分住めそうな魅力的な住宅。
活用の方法なども探りましたが、残念ながら6月一杯で解体することとなりました。



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家は大切に住んでくれる人があってこそ生き続けるもの。
家にも終わりの時が来るのは、しかたのないこと。
そうであれば、せめてみんなで丁寧に、この家を見送って上げようと、5月30日、31日とお別れ会を開きました。

エコハウス研究会の丸谷博男さん、遠藤新さんのお孫さんでもある建築家の遠藤現さんにもご協力頂き、まずは実測会とミニセミナーを開催しました。

武蔵野美大大学院の源先生にもご協力頂き、「遠藤勝勧さんの見る、測る建築@萩原邸」には学生さんが大勢参加。
杉並たてもの応援団の面々も、現況実測に参加してくれました。手慣れているのであっという間に図面ができていきます。流石ですね〜。

お施主さんは、BBQでみんなをもてなしてくださいました。


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翌日はお別れイベント。

練馬を歌うシンガーソングライター、谷修さんがギター片手に登場!
ローカルな街の風景を優しいメロディに載せて歌ってくれました。



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そして、丸谷博男さんが、この家との別れから生まれた詩を朗読してくださいました。
大槌町支援で集まった「ひょっこりどんぶりコーラス」のお姉様達の歌声やホルンの演奏。



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久しぶりに、大勢の人が集い、家も喜んでくれたことでしょう。

私もこの素敵な家との別れはとても辛いけど、長い間お疲れさま。
そして、本当にありがとう。


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ラベル:解体 昭和の住宅
posted by mikihayashi at 19:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 木の家のはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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