前回、木材会館を見学した記事を書きました。
その、大人の空間性と素材の活かし方にとても刺激を受けたので、同じ設計者(というか組織事務所なのでチームといったほうがいいかもしれませんが)の「ホキ美術館」が急に見たくなりました。
思いたったら吉日!と、その週末に車で千葉へ。
昭和の森公園の中にあるのかと思っていたら、公園の脇の敷地なんですね。
ずっと気になっていた美術館の一つですが、鉄板構造で30m持ち出しているアクロバティックな部分ばかりが、ジャーナリズムでは見出しに使われるので、今ひとつ二の足を踏んでおりました。
木材会館でもそうでしたが、チーフアーキテクトの山梨氏の文章を読むと、ぐっと引き込まれました。
シームレスで弧を描くギャラリー空間、それ自体もコレクションとなるプライベート美術館など、その構想からこの建築が生まれたのは必然とさえ思えてきました。
建物に沿って歩かせるアプローチも、期待感を高めるのに効果的。このアプローチ側は、昭和の森の樹々が迫っていて、レストランも、こちら側に開口を取っています。
意外にも、逆側は普通の住宅地で、道を挟んで家々が立ち並んでおります。
そのため、美術館は、このような閉ざされた姿を呈しています。
これは、ちょっと意外でした。
勝手に、森の中にのびのびと弧を描いて浮遊する美術館を想像していたので、、、
内部は撮影禁止のため、写真をアップすることはできませんが、緩急つけたギャラリーの連続は素晴らしく、設計者の意図が伝わってきます。
照明などを散らした、天井のデザインなど、見所が満載でした。
この写真は、レストランからメインギャラリーを臨んだところです。
オープンしてから8年、エントランスにある、考えぬかれた傘立ては残念ながらもう使われていませんでした。
それから、外光の入るメインギャラリーの窓は遮光カーテンで塞がれておりました。
やはり、絵画の保存のためか、他の理由があるのか、、(聞いてくればよかったです、、)
ここのイタリアンレストランはオススメとのことでしたので、しっかりランチを頂いてきました。もちろん美味しかったです。
こんなアンティパストがついてランチ2500円はお得かも。
写実絵画も普段見る機会が少ないので、興味深く、作品に対してその展示空間の質はどうあるべきか等、色々考えさせられました。
一度は行くべき美術館であることは間違いありません。