2週間前、1/18(土)に母校、武蔵野美術大学に行ってきました。
寒い、雪の日でしたが、ちょっと嬉しいことがありまして、、、
昨年はついていない一年(まあ、厄年ですから)だったのですが、気持ちを奮い立たせ、今までの仕事を振り返りつつ長尾賞にエントリーしたのでした。
なんと!諸先輩方、大活躍中の後輩たちが応募する中、第4回長尾重武賞をいただくことができました。
本当に、嬉しい気持ちで一杯でして、雪だろうが嵐だろうが着物着て行くっていうのは相当気合が入っている証拠でして。(笑)
長尾重武賞というのは、武蔵野美大建築の卒業生や卒業生の同窓会(日月会)の会員を対象にした賞でして、芦原義信賞、竹山実賞を引き継いで、武蔵美の学長もされた長尾先生が選ばれる賞です。
授賞式では、少しの時間お話をさせて頂きました。
応募した時の資料はこんな感じでした。
今まで自分が取り組んできたことを総括したい気持ちもあり。
最近の私の主題は、出来上がった建築よりも、その過程や、それから繋がる技術や人、その素材を使うことの意味などにフォーカスしていたので、このような表現になったのですが、長尾先生からは作品の良さが伝わりにくいので、展示パネルを工夫するようにとダメ出しをいただきました。
以下、先生の選評です。
「住み継がれる民家・土に還る家」は、1999−2018年、この建築家が長年に亘って試みてきた木造住宅の設計を標題のようにまとめて応募したものだ。
・1. 伝統木造技術を生かす
・2. できるだけ磁場の自然素材を使う
・3. 手仕事を大切に
・4. 気候風土の寄り添う
・5.住まい手と共に作る
あるいは、
・・・手刻み、・・・地元の木、・・・土壁
といったキーワードを取り出している。
しかし、私が注目するのは、こうした言葉や、意識した試み以上に、恵まれたデザイン能力に裏打ちされた確かな形があることだ。木造らしい架構の美、上下階の豊かなつながり、比例の美、丁寧な仕事、木の温もり、懐かしさ、落ち着き、そうしたすべてが、林美樹さんの木造住宅デザイン・ワールドをみごとに表現している。その世界が、今後ともさらに豊かに展開することを願って、授賞する。
身に余るありがたいお言葉に、目頭が熱くなりました。
ふっと、私は大学1年のころの長尾先生の西洋建築史の授業を思い出しました。
建築を目指した時の、建築を学び始めた時のこと、そう原点を、今一度振り返る必要がありそうだなあと。
展示パネルはこんな感じで、木造の架構の魅力を前面に出すことにしました。
幾つになっても、賞をいただくのは嬉しいことですが、それよりも自分のやってきたこと、これからやるべきことを考える機会となったことが本当によかったと思います。
さて、今年も、気張らず楽しく仕事しますよ。