2021年04月17日

基礎工事始まりました! 難しい斜面のアトリエ

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3年越しのプロジェクトが、とうとう着工いたしました!

敷地購入の時からご相談を受け、最初のご提案してからも2年が経過。
とにかく、難しい斜面でして、コストを抑えるのにも四苦八苦。

昨年やっと工務店が決まり、確認申請にも出したのですが、確認済みが降りたのが今年の2月。

でも嬉しいです、始まったからには前進のみ。


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まずは土留めのH鋼を打ち込みます。


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基礎工事は、地元の楢島工業さん。
斜面のエキスパートとはいえ、大変そうです。スラブはここ、と示してくれてます。


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こちらはそれから1週間後の様子。
上家は斜面に沿うように低く設計したつもりなのですが、基礎が意外に深いのであります。


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着工前は、オンラインで現場定例やっていましたが、今はこんな感じで青空打ち合わせテーブルで。


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そうそう、おとなりのニャンコ、チャラさんをご紹介しましょう。
現場の進捗確認、工務店さんの軽トラ荷台チェックなど、いつもご苦労様です。(笑)

これからもよろしくね。


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2020年11月03日

杉を巡る旅  杉岡製材所

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何ヶ月ぶりでしょうか、飛行機に乗りました。
泊まりがけで出かけるのも、2月末の裏磐梯以来です。
向かった先は、福岡・朝倉にある杉岡製材所です。
ここには、「杉博士」が居るんです!


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こちらがこの製材所の代表をされている杉岡世邦さん。

たまたまつなが〜るズの平山さんが取材に行くと聞き、無理やりお願いして、私と神田さんで便乗させていただきました。


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この日は、取材用に、わかりやすいように何種類かの木取りパターンが用意されていました。

木を割くと、内部応力が解放されて反りが出るということも、説明を受けました。
例えば1枚目の写真は、2つに割っただけでこれだけの反りが出るということがわかりますね。


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明るいうちにと、杉岡さんが私たちを山に案内してくれました。
ここは、杉岡さんのお祖父様からの植林地。
ところが、九州北部豪雨の際、土石流で大きな被害を受けました。
子供の頃からお祖父様と一緒に見に行っていた杉の大木も流されてしまったそうです。

今も、その爪痕がくっきりと残っていました。


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針葉樹林というと、暗いイメージがあるかもしれません。
でも、案内していただいた森は広葉樹が混在し、足元まで光が届きます。


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英彦山(ひこさん)に、修験道で入る修行者たちが奉納で杉を植えたといわれているそうです。
その杉が、いまや樹齢200年を超える大木に育って居るとか。


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ガイド中の杉岡さん!

そして、さらに山に入って行くと、、、



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現れたのは「鬼杉」です。
樹齢1200年と言われています。

杉岡さんは、節目節目にこの杉参りをされているそうですが、圧倒的な存在感。


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写真を撮る背中に、その時のみんなの気持ちが現れますね。


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霊気溢れる洞窟とともに、古から祈りの場であったこと想像できます。



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そして製材所に戻って、敷地内にできたばかりの「方丈板倉 斎」を案内していただきました。



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崇高な、しかし方丈の小屋。



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中に置かれた像は、九州北部豪雨で流されたクスノキから掘られています。


「方丈板倉 斎」については、私が説明するよりも、杉岡さんがブログで語られていますのでこちらをご覧ください。

http://www.sugiokatoshikuni.com/?m=202010


私は1日かぎりの短い時間でしたが、杉によって清められ、心穏やかに東京に戻ることができました。

ありがとうございました!


#杉岡製材所
#行者杉
#鬼杉
#方丈板倉 斎




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2020年07月12日

土間に囲まれた家 竣工!

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2方を土間に囲まれた住宅が竣工です。

今回はStudio PRANAは基本設計と監修のみで、実施設計と監理は地元の設計事務所さんにお願いしました。

竣工検査、引き渡し、竣工写真の撮影の時期は、緊急事態宣言中だったため、訪問できなかったのですが、やっと先週伺うことができました。

居間のテーブルでは娘さんがお絵かき中。集中してますね。


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できるだけシンプルなプランを心がけ、南と西側に下屋でぐるりと土間を巡らしました。

共働きのご夫婦にとって、安心して洗濯物が干せて、何かと便利な場所ですから、土間は。


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土間との境は太鼓ばりの障子。


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障子を開ければ、居間が広々と。



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暖房にはペレットストーブを採用。

肌寒い日に試運転したそうですが、非常に快適だったとか。


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障子の割付は今回はこんなパターンで。



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こちらは主寝室。小窓からの風が心地よいとのこと。


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6畳の子供部屋。


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2階にはフリースペースもあり、そこからロフトに上がれます。
今や、ロフトは子供達の秘密基地になっている模様。


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竣工写真当時より、植栽も茂ってきました。
シンボルツリーはヒメシャラです。


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アプローチのシマトネリコの成長も楽しみです。



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最後の写真は、建主のご主人から頂いたバラ。
バラ農園をされており、珍しい品種を育てていらっしゃいます。
やはり、一味違うと思いませんか?

実は、ご夫婦の奥様の方は医療従事者でおられ、コロナ禍で緊張の日々をお過ごしです。

この新しい住まいが、心休まる場所になってくれるといいな。


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2020年07月04日

葉山一色の家 ガーデニング続行中

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昨年からご相談を受けていた、葉山一色の家の外構工事が概ね終わりました。
といっても、建主さんがすっかりガーデニングにはまってしまい、今も日々姿を変えているようです。



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昨日はあいにくの曇り空で、明るい写真が取れなくて残念。
梅雨が明けたら、また改めて伺いたいものです。



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外構のデザインは正木覚さんにお願いし、4月には寄居の中央園芸さんに庭木を選びに行きました。



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株立ちの姿の良いものを選んだのですが、見ているとあれもこれもとかなり本数が増えてしまいました。
さて、大丈夫でしょうか?



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実は、ここの敷地の外構の一番の問題は排水でした。
東側の敷地がかなり高くなっており、また粘土質という土の性質上非常に水はけが悪いのです。



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雨上がりは池になってしまうほど。
ところが、ここにはサワガニの生息していたんですよ。
そんな生態をいかしつつ、水の流れをつくりましょうというのが正木さんの提案でした。


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なので、とにかく水の道つくりから始まりました。
庭師なのか土木屋さんなのか、、というような仕事ぶり。


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敷地からの水抜き用に、排水口も開けました。


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こちらが外構工事前。


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こちらは高木を植えた直後の様子。


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排水路を作った東側にもヒメシャラやミツバツツジなどを植え、いまはこんなに茂っています。


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室内からの風景も一変しました。こちらはバスルーム。


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こちらは寝室の窓。季節で変わる絵画のようですね。



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コロナ禍でご夫婦共に在宅勤務とのことですが、ここならオフィスよりも気持ちよくお仕事ができること確実です。
特にご主人は、今はかなり庭造りにのめり込まれているとのこと。
ツリーハウスの計画もあるとか、、、


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アプローチに使った大谷石はグリーンがかった珍しいものでした。


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今回の外構工事は単なる「園芸」的なものではなくて、健康な土壌をつくって、そこに植物や生態を生かそうというもの。
正木さんオススメの本だそうで、私も早速購入しました。

身体の中から健康になるように、土を健全にしてあげるというのは理にかなっています。
それによって、植物も強くなっていくそうです。



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今年もレモンが沢山なっています。
なぜか、レモンの木の周りの土がとてもいい状態に、自然になっていたそうです。
葉山という気候も合うのでしょうね。

色づくのが楽しみですね。










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2020年04月05日

津金の思い出

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昨年11月に見た赤い八ヶ岳。

あの時、世界がこんなにウイルスに悩まされることになると、誰が想像したでしょう?
毎日、増え続ける感染者数を追いながら、私も不安な日々を過ごしております。

医療関係の方々の尽力に感謝しつつ、私が今できることは「まずは自分が感染しないこと」。
当面、旅はできません。
そうなるとちょっとした旅の思い出も、ますます大切に思えてきます。

ということで、過去の旅を少しづつブログにアップすることにします。



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木の家ネットつながりで友人のヨハナさんから、「糸あやつり人形劇をするから来ませんか?」とのお誘いをもらいました。
そう、彼女は以前人形劇団に居たことがあるんですよね。
私も、ちょっと気分を変えたかったこともあり、思い切って山梨まで行くことにしました。

人形作家の田中翠さんの人形に息が吹き込まれるそうです。


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会場は津金学校。
http://tsugane.jp/

明治に創られた小学校を再現した建物で、今は博物館になっています。
演目は宮沢賢治の「雪わたり」。

素敵でしたよ!童心に還って楽しませてもらいました。音がまた素晴らしくて。

実は、もう50年会っていなかった、この近くに住む小学校時代の同級生も誘って!



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その後、ヨハナさんオススメの農家民宿「なかや」に宿泊。
早朝の散歩から戻ると、看板猫勘助くんがお出迎え。


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同じ日に宿泊した皆様とヨハナさんとの記念写真。
ここを運営されている大塚さんの心遣いと地域への思いに、霜の降りた寒い朝でしたが心が温められました。



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なかやを後にして、近くの禅寺へ向かいました。
海岸寺という臨済宗妙心寺派の山寺なのですが、これまた秘境ならぬ秘寺。



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瞑想(坐禅)用のテラスの気持ち良さといったら、、、
人に教えたく無いですね、こういう場所は。(笑)



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その後向かったのは、昨日50年ぶりに再会を果たした、幼馴染のところです。

前日もランチをご一緒にしたのだけど、小一時間では50年分の話は到底終わらず、、、



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最近、彼女とはFBでほとんど毎日やりとりしていて、何を食べているかさえわかっちゃう関係なのですが、もう一つの共通点が「猫好き」。
当然のように、ニャンズが私をお迎えしてくれましたよ。




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彼女の素敵な旦那様は木工作家さんで、なんと自宅は北欧からログハウスの材料だけ個人輸入して、全て自分で建てたそうです!
「基礎工事も!?」と尋ねたら、鳶のところに修行に行き、自分で施工したとか!
当然、家具や建具もお手の物。アルプス風彫り物があって、とてもお洒落です。



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彼女は、すごいお料理上手なんですよ。以前は、自宅でカフェもやって居たそうですが、この日はお野菜たっぷりでゆずの香りたつ美味しいおうどんをご馳走になりました。
いつも、彼女のFBのお料理には刺激をいただいてます。



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食卓を囲むご夫妻。
八ヶ岳の麓、素敵な住まいと暮らしですね。

また遊びに行きますね!








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2020年02月02日

長尾重武賞を頂きました!!

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2週間前、1/18(土)に母校、武蔵野美術大学に行ってきました。
寒い、雪の日でしたが、ちょっと嬉しいことがありまして、、、

昨年はついていない一年(まあ、厄年ですから)だったのですが、気持ちを奮い立たせ、今までの仕事を振り返りつつ長尾賞にエントリーしたのでした。

なんと!諸先輩方、大活躍中の後輩たちが応募する中、第4回長尾重武賞をいただくことができました。
本当に、嬉しい気持ちで一杯でして、雪だろうが嵐だろうが着物着て行くっていうのは相当気合が入っている証拠でして。(笑)



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長尾重武賞というのは、武蔵野美大建築の卒業生や卒業生の同窓会(日月会)の会員を対象にした賞でして、芦原義信賞、竹山実賞を引き継いで、武蔵美の学長もされた長尾先生が選ばれる賞です。

授賞式では、少しの時間お話をさせて頂きました。


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応募した時の資料はこんな感じでした。
今まで自分が取り組んできたことを総括したい気持ちもあり。

最近の私の主題は、出来上がった建築よりも、その過程や、それから繋がる技術や人、その素材を使うことの意味などにフォーカスしていたので、このような表現になったのですが、長尾先生からは作品の良さが伝わりにくいので、展示パネルを工夫するようにとダメ出しをいただきました。

以下、先生の選評です。

 「住み継がれる民家・土に還る家」は、1999−2018年、この建築家が長年に亘って試みてきた木造住宅の設計を標題のようにまとめて応募したものだ。
・1. 伝統木造技術を生かす
・2. できるだけ磁場の自然素材を使う
・3. 手仕事を大切に
・4. 気候風土の寄り添う
・5.住まい手と共に作る

あるいは、
・・・手刻み、・・・地元の木、・・・土壁
といったキーワードを取り出している。

しかし、私が注目するのは、こうした言葉や、意識した試み以上に、恵まれたデザイン能力に裏打ちされた確かな形があることだ。木造らしい架構の美、上下階の豊かなつながり、比例の美、丁寧な仕事、木の温もり、懐かしさ、落ち着き、そうしたすべてが、林美樹さんの木造住宅デザイン・ワールドをみごとに表現している。その世界が、今後ともさらに豊かに展開することを願って、授賞する。


身に余るありがたいお言葉に、目頭が熱くなりました。

ふっと、私は大学1年のころの長尾先生の西洋建築史の授業を思い出しました。
建築を目指した時の、建築を学び始めた時のこと、そう原点を、今一度振り返る必要がありそうだなあと。



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展示パネルはこんな感じで、木造の架構の魅力を前面に出すことにしました。


幾つになっても、賞をいただくのは嬉しいことですが、それよりも自分のやってきたこと、これからやるべきことを考える機会となったことが本当によかったと思います。


さて、今年も、気張らず楽しく仕事しますよ。








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2020年01月14日

手で考えて、身体で作る。

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このシンポジウムのタイトルには、惹かれました。
私の2020年最初のお勉強です。

フランスの土建築研究所クレアテール、建築を原寸でつくりながら教育を進めるグランザトリエの話と丸山欣也さん、左官の松木さんの話も聞けるとあって、期待して足を運びました。


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しかも会場はここ。
東京大学農学部弥生講堂アネックス。
一度言ってみたいと思っていたんですよ。
樹木を残したのはいい感じですね。森の中で、都内とは思えない環境。

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中に入るとこんな感じです。
木質系といってもスチールはかなり多用しています。
インテリアも、森の中感があっていい感じ。

講演は、時間が足りない感じでしたが、それぞれに興味深く、素材としての土の可能性を感じました。
松木さんがイタリアで現地の素材を活用して、土壁漆喰仕上げまでされているのには、頭が下がりました。
まだまだ、やれること色々ありそうです。私ものほほんとしていてはいけませんね。


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シンポジウムの前に、せっかくなので根津神社にもお参りしてきました。
神社なのに、卍があちらこちらに散りばめられているのには驚きましたが、調べると卍は実は全世界的に使われている記号なんだそうで、特に仏教だけのものではないとのこと。



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絵柄が素敵だったので、ついつい1月のお守り札を購入。
よしよし、これで少なくても今月は、嫌なことはおこらないでしょう。(と信じます)





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2020年01月06日

謹賀新年 2020 

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新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

Studio PRANAは2020年を新しい事務所で迎えました!
というのも、昨年12月に引越しをいたしまして、、、

ここ数年、地元でまちづくりの活動をやってきているのですが、そのメンバーの事務所がある建物に私も引越しをいたしました。
ヴィンテージなマンションを6年前にフルリノベした、ちょっとお洒落な場所です。
キッチンも充実しているので、お料理に力がはいりそう。(笑)


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昨年は、Studio PRANAにとってあまり良い年とは言えませんでした。
頓挫する仕事や、なかなか思うように進まない仕事、それに加えて私自身にもいろいろ問題が降りかかり、、
ブログをアップするゆとりすらないほどでありました。

そんなこともあり、今年は一大決心をして、大晦日に除夜の鐘をつきに行きました。



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春は桜、秋は紅葉を楽しめる素敵なお庭のある真言宗のお寺です。

鐘楼は、ちょっと高い位置にあって、良い音色が心地よく響きます。



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皆様にも2020年が幸多き年となりますように。


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2019年03月31日

金沢町家に泊まる 

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もうひと月以上前になりますが、久しぶりに金沢を訪ねました。

最近は、旅の目的に応じてかなり真剣に宿選びをします。
そして仕事であろうが、プライベートであろうが、とにかくゆっくり眠れることと、空間に魅力があるところを選びます。
職業病かもしれませんが、人生も後半戦であることを意識すると、1日1日が貴重です。

昨年つなが〜るズで彦根を訪問した時に、町家に泊まったのがとても快適でしたので、金沢でも町家の宿を探しました。

町家の宿といってもピンキリ。
そこで選んだ宿はこちら「いぬい庵」でした。



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間口3間ほどの小さな町家ですが、一棟貸しで、良い感じに改修されています。




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土間だったところの吹き抜けはそのまま活かされて、正面の飾り棚が綺麗にしつらえてありました。



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2階に畳の寝室が2部屋。 1階ホールの左側が居間になっています。




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小さいながらも中庭もあり、浴室の窓からも庭が眺められます。

キッチンもちょっとした料理はできるくらいの広さがあり、なかなか快適。

夫もぐっすり休めたらしく、「ここに1週間くらい居たいね」とご満悦。

HPから拝借した平面図はこちらです。


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この民家は恐らく大正末期から昭和にかけて建築されたものとのことでした。
簡易宿泊所として運営しているそうで、チェックインの時だけ担当の方が待って居てくれて、チェックアウトは電話を一本入れるだけ。

引き戸用の電気錠が優れものでした。
国産には良いものが無くて、韓国製とのことです。


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さて、この町家宿の周囲は、町家・武家屋敷・農家などが混在して居たとのことですが、町家がわずかに残っているような状態です。

昔の町家が建ち並んで居た頃の様子は、路地の痕跡から計り知ることができますね。


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近所でお店に活用されている素敵な町家を見つけました。


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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、「金沢町家」のプレートがかかって居ます。



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こちらは朝の散歩で見つけた町家。工務店さんのようですね。

こちらのプレートは「金澤町家」でしかも字体が違います。

ちょっと調べたら、金沢市が出しているものとNPO団体が出しているものと2種類あるようです。
どちらも、町家を再生して上手に活かしている場合に頂けるようです。



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こちらの立派な元染物屋さんの建物は、何かに使われているようなのですが、なんなのか、、
検索してみました。


どうやら、外国人観光客向けのお料理教室や、舞妓さんの踊りを見ながらの金沢のお食事をするような場になっているようです。
徹底して居ますね。英文のHPのみです。

https://www.in-kanazawa.com/

この染物屋さんの建物を活かすところまで至るのに、様々な人たちが関わってきたこともわかりました。

おくりいえプロジェクトなどは、他の場所でも参考になる魅力的な活動です。

http://okuriie.jp/archives/270


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用水路に沿って歩き、人気のパン屋さんまでやってきました。



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モーニングをやっているというパン屋さんで、8時半でもちろん満席。
ウェイティングリストに10組以上という繁盛ぶり。

#ひらみぱん



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私はパンだけ買って、町家宿に戻り、ゆっくり朝ごはん。
美味しかったですよ。大人気なのも納得です。


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今年の金沢はほとんど積雪がなかったそうです。
土塀の覆いも、今年はお役目果たせず、、でしょうか。


さて、次回のブログでは金沢旅行1番の目的地、鈴木大拙館をレポートします。
お楽しみに。



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2019年02月11日

「多摩産材を使った家づくり」コンクールで最優秀賞(東京都知事賞)を頂きました!

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「代田の長屋」が「多摩産材を使った家づくり」コンクールで最優秀賞(東京都知事賞)を頂きました。

去る、1月29日、30日にビッグサイトで開催された木材見本市「モクコレ2019」の開会式で、小池百合子都知事より表彰状を受け取りました。



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「モクコレ(WOODコレクション)」は毎年この時期に開かれている東京都主催の国産材活用促進のための見本市。
全国から様々な木材や木製品が出展されます。


こういう晴れがましい場は慣れていないので、、非常に緊張いたしました。


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2年前から始まった「多摩産材を使った家づくり」コンクールですが、前回は「祖師谷の家」で優秀賞でした。
で、嬉しいことに、今回は最優秀賞!!

まだ、あまり知られていないコンクールだと思うので、多摩産材を使っている皆さん、ぜひ応募してください!



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人見知りの都倉棟梁も、この日ばかりは笑顔でした。
賞をいただけたのは、設計や施工だけでなく、こういった単身世帯向けの長屋を依頼してくださった建主さんのお陰です。
都会での長屋暮らしというプログラムが高く評価されたと思います。

こんな小さな、実にシンプルな、どうってことない家なんですが、それを丁寧に作って、丁寧に暮らし、後世に繋いで行くことが大切と私たちは考えています。


表彰式の動画はyoutubeにアップしましたので、ご興味のある方はご覧くださいね。

https://youtu.be/7PFlwuFPwFg



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最近はブログをサボっていることもあり、「代田の長屋」の竣工後の写真を全くアップしておりませんでした。

ここで少しアップしつつ、ご説明したいと思います。

ここは、建主さんのお母様が所有しておられた、IK4部屋の木造2階建てのアパートでした。
それを御自身が1階に住まう様にと、2世帯の積層長屋に建て替えたのです。


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東側が道路に面し、そこから土間を介して居室に入るプランです。


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食文化研究をされていて、食通で料理好きな建主さんの為に、キッチンはゆったりとしています。



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奥の西側には小さいながらも庭を取り、お隣の庭とつながって緑陰を感じる畳の間となっています。



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準防火地域の狭小地の為、開口部は全て防火の認定が取れているサッシやシャッターなどをつけないとならないのですが、掃き出し窓の大きいものが無いんです。なので、ここは鉄板張りの防火雨戸で対応しています。



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水回りは実にコンパクト。



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2階は友人が住まわれることが決まっているのですが、その方が化学物質過敏症であることもあり、それに対応する仕様となっています。

床は杉でなくタモ、天井も漆喰塗り、キッチンはオールステンレスの特注品、畳も過敏症対応の特別仕様、カーテンは100年有機栽培コットンを使ったものです。



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今回、審査委員の先生方からも、施工の質を大変褒めて頂きました。

いつも、職人さんたちに最高の仕事をしてもらえていることが誇りです。


これからも、この気持ちを忘れず、前進あるのみ!


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